TRAVELING BUTTON.

TRAVELING BUTTON.

TRAVELING BUTTON.

2006 → 2026

TRAVELING BUTTON. シルバーとルビーのボタン

今から約20年前。

洋服のデザインをしながら、
ふと一つのことを考えるようになった。

「価値って、なんだろう。」

とりわけ有名でも何でもない僕がつくる洋服に、
人は価値を感じてくれるのだろうか。

当時、英国のファッションに関わっていた僕は、
サヴィル・ロウの服について学ぶようになった。

そこには、僕がそれまで考えていた洋服とは、
少し違う時間が流れていた。

袖を直す。
身体に合わせて修正する。
手を入れながら、長く着る。

そして時には、
親から子へと引き継がれていく。

服は「買った瞬間」が完成なのではなく、
その先の時間まで含めてつくられている。

そんなことを考えていた頃、
もう一つ気になっていたものがあった。

時計だった。

ロレックスのムーブメントには、
ルビーが使われている。

普段はほとんど見ることのない内部にある、
歯車の美しさ。

そして、その中に置かれた小さな石。

僕にはそれが、
単なる装飾とは思えなかった。

サヴィル・ロウの服に流れている時間と、
機械式時計の中にある価値。

その二つを、
洋服の中で何か一つにできないだろうか。

何日も考えた。

そして、ある日。
ボタンだ。と思った。

シャツは、いつか終わる。

汚れるかもしれない。
擦り切れるかもしれない。
穴が開くかもしれない。

どれだけ気に入っていても、
いつか着られなくなる日が来る。

でも。

ボタンまで、
一緒に捨てる必要はない。

外せばいい。

そして、次のお気に入りのシャツへ付け替える。

そのシャツも着られなくなったら、
また次のシャツへ。

服から服へ。
時間から時間へ。

旅をするように。

それを僕は、

TRAVELING BUTTON.

と呼ぶことにした。

ただ、普通のボタンでは意味がなかった。

ボタンそのものにも、
時間を越えるだけの価値が必要だった。

ある日、シルバーの指輪やバングルをつくっている人に聞いてみた。

「シルバーで、ボタンって作れますか?」

今考えれば、
ずいぶん変な相談だったと思う。

それでも、その話を受けてくれる人がいた。

素材はシルバー。

そしてそこに、
小さなルビーを一つ入れた。

こうして、
TRAVELING BUTTON.はできた。

それから何年も経った。

いつの間にか、
僕自身もそのボタンがどこにあるのか
分からなくなっていた。

何度か、

「あのボタン、どこいった?」

と思い出して探したこともあった。

でも、出てこなかった。

そして約20年後。

地下の倉庫を片付けていた時だった。

引き出しの隅に、
小さなビニール袋があった。

その中に、

あのボタンが入っていた。

残っていたのは、

12個。

しばらく眺めていた。

20年前につくったものが、
ほとんど時間を止めたまま、そこにあった。

もし「偶然」というものを信じるなら、

今が、これを使う時なんだと思った。

TRAVELING BUTTON.

2006 → 2026

20年前のボタンを使って、
もう一度シャツをつくることにした。

ただし、昔のシャツを復刻するつもりはない。

今の僕たちが着たい服をつくる。

選んだのは、黒のベロア。

光の当たり方によって、
静かに表情が変わる。

原型にしたのは、
昔の絵描きが着ていたようなシャツ。

前身頃にも、背中にも、
ヨークからたっぷりとギャザーを取る。

TRAVELING BUTTON. SHIRT ブラックベロア
※掲載画像は製作中の仕様をもとにした完成イメージです。実際の商品とは風合い・細部が異なる場合があります。

男性が着れば、そのままゆったりと。

女性が着れば、
少し大きなシャツを羽織ったようなシルエットになる。

TRAVELING BUTTON. SHIRT 男性着用イメージ
TRAVELING BUTTON. SHIRT 女性着用イメージ
※着用画像は製作中の仕様をもとにした完成イメージです。

そして、

上から二番目のボタンだけに、
20年前のシルバーとルビーを付ける。

2006 → 2026

5 SHIRTS.

2026年11月23日。

CONNECTの日に、
最初の一着が届く予定です。

僕自身もまだ、
完成したものを見ていない。

だからこの日、
店に並ぶ完成品を見てもらうというより、

20年前に考えたものが、
20年後にどんな服になったのか。

それを一緒に見てもらう日に近いのかもしれない。

触ってみてください。
羽織ってみてください。

そして、
第二ボタンを見てみてください。

もし、そのシャツを気に入ってくれる人がいたら、
予約を受けようと思っています。

MOTHER CLOTHING.

TRAVELING BUTTON.
SHIRT

BLACK CRUSH VELOUR
POLYESTER 100%

¥39,000

2026.11.23
CONNECT
HIMENOYU MOTHER.

シャツが終わったら、外す。
そして次の服へ。

2006 → 2026

TRAVELING BUTTON. SHIRT

VIEW THE SHIRT →

FIRST SHOWING — 2026.11.23 / CONNECT

GOOD PEOPLE, GOOD THINGS, GOOD TIME.

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