削り落とされたものから、また始まる。
モノをつくる人には、その人にしか見えていないものがある。
誰かにとっては捨てるものだったり、
役目を終えたものだったり、
制作の途中で床に落ちていくようなものだったり。
でも、長く一つの素材と向き合ってきた人には、
そこにまだ何かが残っていることが見えているのかもしれない。
今回CONNECTに参加してくれる一泉堂さんは、
大正から105年続く印章店の四代目。
印章を彫る。
それだけを聞けば、ずっと変わらない仕事のようにも思える。
けれど、長く続いてきた仕事だからこそ、
その途中には大量の「削り落とされたもの」が生まれる。
水牛の角を削ったときに出る角粉。
端材。
そして流木。
今回持ってきてくれるのは、
そうしたものから生まれた造形作品です。
本人から届いた言葉。
大正から105年続く印章店四代目として培ってきた彫刻技術から派生した造形作品を展示させていただきます。
主材は、手彫り印章の制作過程で生じる水牛の角粉を練り込んだ漆喰や角の繊維と流木です。
削り落とされ、役目を終えた角粉を手に掬い取り、次なる命へ巡らせる。
長年向き合ってきた素材への畏敬と、技の道に終わりはないとする職人の姿勢「無極」を内包しています。
普段本流としている印章と、印章の素材を削り出す際に出る水牛角の端材を再利用した装身具も展示予定です。
GOOD PEOPLE.
105年。
四代。
その時間の中で、削り落とされてきたものがある。
普通なら捨てられてしまうものを拾い上げ、
また別のものにする。
それは「再利用」という言葉だけでは、
少し足りない気がします。
長く何かを続けてきた人だから、
捨てることができなかったもの。
そんなものが、11月23日に並びます。
作品を見るだけでもいい。
印章の事を聞くのもいい。
もし本人がそこにいたら、
どうして角粉を捨てなかったのか、
聞いてみるのもいいと思います。
会いたいモノがある。
会いたい人がいる。
この人に会える日。
CONNECT 2026
2026.11.23
HIMENOYU MOTHER.