熱量

熱量

何かをやるには熱量が必要だ。まだ周囲から「若い」とされていた頃に持っていた熱量は、「よし、やってやるぜ。今に見てろよ」っていう熱量だった。しかし、歳を重ねていくうちにその熱量は自分に向けられるようになる。「明日生きていないかもしれないからやっておこう」のようなネガティブでそしてメソメソとした熱量になる。ただ、僕の中には何かの火種がまだ残っている。

1990年台のロック的な思考から現代の調和的な思想へ世の中が変化した。お店をやる側の考えも変化した。僕の好きだった店は渋谷で長年続けている老舗だった。過去形で書くのは今営業しているかどうかわからないからだ。店内に入るとミッシェルガンエレファントが大音量で流れていて、コーヒーを注文すると、ピアスにタトゥのおねえさんが、何も言わずテーブルに音を立ててドカンと置く。コーヒーはこぼれる。僕の中ではレビュー5の店だ。ニコニコ愛想よく接してもらうよりも、無愛想だけどそれを超えるカッコ良さがあった。

IOT、それも進化すればIOB(インターネットオブボディ)になろうとしている未来。管理社会に近づいていく足音がどんどんと大きくなる。すでに企業や会社よりも個人の力の方が、「オレはオレ」を貫くにはやりやすい時代になった。SNS、YouTube、それを見ていれば如実にわかるだろう。

溢れる情報の中で、何を信じるか。そして自分が信じているものを発信し、その自分が信じている事を信じてくれる人達が顧客になる。そういう時代。

僕の中の何かの火種を燃やすには自ら恥をかきながら自分の考えを発信していくこと。これしかないと最近思う。

 

 

執筆 カトウマサチカ

ブログに戻る