CONNECT across Time

CONNECT across Time

時間と繋がる ― 母から受け継いだものたち



序章

母は認知症になり、いまは老人ホームにお世話になっている。
僕は母の深い愛情に包まれて育ち、幼い頃は困った記憶がほとんどない。
その代わり、大人になってからは、仕事も人生も、思うようにいかない苦労の連続だった。

けれど振り返ってみれば、そのすべてを支えてくれたのは、母が大切にしていた「日々の道具」だったように思う。
茶器や花瓶、書道の道具や小さな工芸品──それらはただの物ではなく、生活のなかで使われ続け、家族の記憶をそっと映し出している。

母が手を離したあと、僕の手元に残された品々。
それをどう扱うべきか、ずっと考えてきた。

この曲は僕自身の記録であり、母と家族の時間を思い出しながら書いた。

受け継がれる時間

ひとつひとつを眺めていると、そこには確かに「時間」が刻まれている。
母が選び、手に取り、使い続けてきた時間。
そして僕がそれを受け継ぎ、次の世代に繋ごうとする時間。

それは、まるで見えない糸が過去と未来を結んでいるようだ。


「時間と繋がる」CONNECT across Timeという今回のテーマの1つは、そんな思いから生まれている。

この場所で展示・販売するのは、単なる骨董品や古道具ではない。
どれも「生活と感情が重なった表現」であり、母の人生そのものに触れるような存在だ。

次の時代へ

僕は、これらをただ保管しておくのではなく、新しい出会いの場に置きたいと思った。
誰かが手に取り、家に持ち帰り、また別の時間を刻んでいく。
その過程こそが「継承」であり、芸術や生活を未来へ繋ぐ動きになる。

今回の「CONNECT 2025」では、母が遺したものを一幕として展示し、販売する。
それは「モノを売る」という行為を超えて、
過去と未来をつなぐ小さな儀式のような試みでもある。

どうかここで出会う品々を、ただの道具としてではなく、
「時間を超えてきた表現」として見ていただければ嬉しい。


それは、まるで見えない糸が過去と未来を結んでいるようだ。
「時間と繋がる」—— CONNECT across Time。
このテーマは、私たちが大切にしてきた思いを形にしたものです。

2025年11月23日(日)に開催する3回目の「CONNECT」は、
単なるイベントの名前ではありません。
時間を越え、地域を越え、そして生活と表現を結びつける“見えない力”。
この場所で過ごすひとときが、あなたにとって新しいCONNECT「繋がり」となりますように。

*掲載の写真は展示販売する中の一部です。

ブログに戻る