たぶん、何も見つからない。
それでも、やっている。
池に浮かんだ落ち葉やゴミを網ですくう。
庭を徹底的に掃除する。
それが何かに繋がるわけではない。
この場所は、世界の中心ではない。
どちらかといえば、隅の方にある。
直下には姫之湯断層がある。
20メートル先には川が流れていて、
その傍から温泉が出ている。
赤や黄色の石がある。
ガラス質の黒い石も混ざっている。
少し掘ればいくらでも出てくる。
ある条件が揃っている。
金があるかもしれないという条件。
石を砕く。
細かくして、水に流す。
残るのは砂鉄と雲母。
たまに、これが金なんじゃないかと思って、
じっと見てしまう。
もちろん、だいたい違う。
あるのか、ないのかはわからない。
それでもやる。
気づくと時間がなくなっている。
それが面白い。
池の掃除も同じだ。
何も起きていないようで、
空気だけが変わる。
神社のように。
この場所では、世界は感じない。
けれど、何か別の広がりがある。
人間は、仕事に人生を奪われている。
「AIに仕事を奪われる」と言われるが、
すでに別のものに奪われているのだ。
それでも、
ここではそれを取り戻すようなことをしている。
結果は、わからないままでいい。
今とは違う角度から。Gravity.