Some Might Say

Some Might Say

“人は言う、雷鳴の後には日の光がさすと
そんな事、輝けない奴にも言えんのかよ。”
Some Might Say より

 

Oasisの新しい日本語対訳。訳したのは、いしわたり淳治さん。
この2行が、妙に心に残っている。

 

歌詞を訳すのは難しい。
作詞した人と、同じ境地に立てる人でないとできないからだ。

 

それは、作家や造形家、映画監督、アーティストと呼ばれる人たちが
作り出す世界と似ている。
どう“解釈させるか”、そこがすべてだと思う。

 

そして僕らのように、一風変わった展開をするお店やブランドも同じ。
ジャンルがなんであれ、“一般的でないもの”を理解するのは簡単じゃない。

 

たとえば普通、キャンプ場なら
「家族で楽しめるキャンプ場、夏の思い出作りに」と展開する。
でも僕らは、「Making the World Romantic Again」と言っている。
……わかりにくいにも程がある。

 

でもそこには、「なぜ」が深く関与している。
人は、「その人がなぜそれをやっているのか」を知ったとき、
小さく感動したり、共感したりするんじゃないかと思う。

 

僕のように“思想型”で経営している人間には、翻訳者が必要だ。
じゃないと、きっと伝わらない。

 

「今買うと割引クーポンがもらえる!」なんて言わない。
即時性や即効性を求めていないから。
それが将来、何の役にも立たないことを、身をもって知っているからだ。

 

けれども、ノエルが言ったあの言葉を思い出す。

「リアムはまるで、世界というスープにフォークで立ち向かおうとする男みたいだ」
出典: https://emo-quotes.com/noel-gallagher/

 

このセリフを聞くたびに思う。
――オレのことじゃね?
だから、輝けない奴なのか……。

 




執筆:カトウマサチカ

 

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